クレーン関係

クレーン性能検査の内容は?どんなことを行うのか解説します!

天井クレーンの巻き上げ装置

どうも!ダイスケです。吊り上げ荷重が3㌧以上の
クレーンでは2年に一度、性能検査を受けることが
義務づけられています。自分の工場では該当する天
井クレーンが5台ほどあるので性能検査を受けてい
ますが、どんなことを行っているのかを解説したい
と思います。                 

クレーンの性能検査とは?

クレーンを継続的に使用するには、検査証の有効期
間を更新しなければいけません。        

車で言う「車検」と同じような内容ですね。   

性能検査の主な内容としては、「定格荷重の荷を吊
って、荷重試験の実施を行う」ことがメインになり
ます。                    

下の写真はボイラ・クレーン安全協会から郵送され
てくる資料なんですが、性能検査の内容について書
いてあります。                

いつも性能検査の受検はここでお世話になっていま
す。                     

クレーン性能検査、注意事項についての書面

この資料にも書いてある通り、ウエイトを吊って、
走行、横行などの作動状況を見て、クレーンに問題
がないか確認を行います。           

それと、この資料の裏面にもこんな感じで書いてあ
ります。                   

クレーン性能検査、注意事項についての書面

性能検査受検上の注意すべき事項がいろいろと書い
てありますね。                 

この資料以外にも性能検査の申込み書などがありま
すが、ちょっと社内の内容に触れてしまうので、控
えさせて頂きます。              

では次に実際の受検内容を解説していきたいと思い
ます。                    

性能検査の項目(外観試験および運転試験)

性能検査の項目としては全部で12項目ほどありま
す。                     

結果報告書に記載されている内容を書き出しました
。このような内容になります。        

  

  性能検査項目(外観試験および運転試験)  
・構造部分 ・機械部分 ・つり上げ装置等
 
・安全装置等 ・レール等 ・電気部分

・歩道、運転室等 ・荷重の表示等

・動作試験(無負荷)・荷重試験 

・たわみ装置等 ・その他

この項目以外にも書類検査等の確認もあり、定期自
主検査記録簿(月次点検表など)があります。  

これらの内容をいくつか抜粋し、どんなことを行う
か解説していきたいと思います。         

定期自主検査記録簿の確認

まずは定期自主検査記録簿📃の確認です。   

毎月自社で点検を行っている月次点検表の確認と、
外部業者の点検による年次点検表の確認を行います
。                      

定期的にクレーンの点検をきちんと行っているかの
確認ですね。                 

性能検査の受検時には必ず確認されるので、きちん
と保管をしておきましょう。          

「あれっ!この月の点検表が見当たらないな😓」っ
てことがないようにしたいですね。       

この記録簿の確認は、検査員よってまちまちなんで
すが、荷重試験などを行う前にやるか、受検後にや
るか、どちらかの形になります。        

たいがいは、荷重試験前に点検表の確認を行ってか
ら、その後に現場に行き、クレーンの荷重試験に入
るパターンが多いですね。           

構造部分・機械部分・安全装置等・レール等・電気部分などの確認!

点検表などの確認が終わったら、次は現場に行って
天井クレーンの確認になります。        

まずは天井クレーンのガーター部まで登り、構造部
分であるサドルやガーター部に亀裂、ボルトの緩み
がないか、目視確認と、テストハンマー🔨による
反響音の確認を行います。           

その後は、天井クレーンの横行・走行・巻き上げ・
巻き下げ動作の確認となります。        

いづれも無負荷運転での確認です。       

フック・外れ止め・ワイヤーロープの点検(安全装置等、吊り上げ荷重等)           

ワイヤーロープ

次はフック部とワイヤーロープの確認です。   

ワイヤーロープはキンクや型くずれが起きていない
か目視点検を行い、あとはノギスを使用してワイヤ
ーロープが摩耗していないか計測を行います。  

基準としては公称径の7%を超えていないかです。

やはりワイヤーロープはベストな状態を保ちたいと
ころですね。                 

作業者の命にも関わるものなので、少し不具合があ
る場合には受検前に交換するようにしています。 

荷重試験ウエイトについて

次は性能検査のメインとなる荷重試験になりますが
、その前に荷重試験用のウエイトについても解説し
たいと思います。               

使用する「ウエイト」なんですが、形とかはどうで
あれ、きちんと定格荷重・積載荷重に相当するもの
であれば何でもOK👌となります。        

例えば工場で使用している機械装置であったり、原
料なんかでも構いません。           

ただ、その時に注意したいことは、ウエイトの誤差
を1割以内に抑える事が重要となります。    

例えば定格荷重15㌧のクレーンであれば、13.5
㌧のウエイトに調整することです(検査員によって
は14㌧にしなさいとなる場合もある)     

とりあえず、ウエイトを自社で用意できれば費用も
安上がりになりますが、うちの工場では検査用のウ
エイトはレンタル(NCS製)でお願いし、クレーン
業者にも立ち会い助成をお願いしてもらっています
。                      

これが、自社でウエイトを用意してしまうと、自分
でクレーン操作をを行うことになり、面倒くさいの
ですべて業者さんにお願いしています😅    

業者が自社の用意したウエイトで、クレーン操作を
行わない理由としては、万が一ウエイトを落として
破損をした場合は責任を負えない理由があるからな
んです。                   

自社で用意したウエイトによっては、ワイヤーロー
プの掛け方のポイントなどもありますからね。  

慣れた人でやってくださいとなる訳です。    

その点で、レンタルしたウエイトは吊りやすい構造
で、ウエイトの積み重ねも容易で、安全に作業を行
える形になっています。            

たわみ試験

次はたわみ試験になります。          

天井クレーンのトロリーをほぼ中央部へ寄せていき
、まずは無負荷の状態で、床からガーターへの所へ
レーザー距離計を当てて、距離を測ります。   

今度はウエイトを吊りあげて、負荷の状態を作りだ
し、再びレーザー距離計を当てて、その距離がどの
くらい短くなったのか、たわみ量を確認します。 

うちの天井クレーンのスパンだと、いつも10mm
程度のたわみ量になりますね。         

これが約22mm以上を超えていると、どこかに亀
裂が入っているかなど、異常な状態になっていると
言えます。                  

ちなみに、他の事業所さんなどで異常な数値を出し
た天井クレーンはあるのかな?と気になり、検査員
に一度聞いてみたところ、「そのような天井クレー
ンは今までなかったですね」と言っていました。 

異常な数値が出たとなれば、サドルあたりの溶接部
の亀裂があるだろうとのことです。       

「たわみ試験」の確認は重要ですね。      

ウエイトを吊って走行・横行・巻き上げ・巻き下げ

次はウエイトを吊ったまま、巻き上げ・巻き下げや
、走行・横行などの確認を行います。      

やはり、負荷がかかっている状態なので、巻き上げ
時のモーター音も変化するので、見てるほうも緊張
が走りますね💦                

頑張って上げてるな💪という感じです。     

運転と停止を何回か繰り返して、ブレーキの効き具
合や、異常音が発生していないか、しっかり確認を
行います。                  

そんな感じで負荷運転を一通り終えれば、性能検査
は終了となります。              

検査証の有効期間更新

現場での検査確認が終了すると、クレーン検査証の
ほうに、性能検査に合格した印を押してもらえ、そ
れと有効期間が示された検査証のシールを1枚もら
えます。                   

これで、性能検査の受検は無事合格💮という形にな
ります。                   

性能検査もよっぽどのことがない限り不合格になる
ことはないとは思いますが、やはり受検前までにク
レーンはベストな状態にはしておきたいですね。 

これからクレーン関係の担当者になる方はこの点に
注意しておくといいと思います。        

では、また!                 

   

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