公害防止関係 環境関係

【合併処理浄化槽の点検・定期検査の内容とは?】工場で行っている内容を解説します!

2021年12月25日

浄化槽のマンホール

ダイスケです!合併処理浄化槽は生活排水など
をきれいにする浄化装置ですが、それらが正常
な機能を発揮しているかどうか?保守点検や法
定検査があります。ダイスケの工場でも合併処
理浄化槽を設置しているので、実際にどんな点
検や検査などを行っているのかを解説したいと
思います。                

合併処理浄化槽とは?

ダイスケが勤めている工場の地域では、公共下
水道が整備されていない所なので、工場に合併
処理浄化槽(以下:浄化槽)を設置しています
。                  

そういった地域では、トイレを水洗化する時に
は浄化槽の設置が義務づけられています。  

この浄化槽の性能がどのくらいあるのかと言う
と、BOD除去率が90%以上、処理水質が 
20mg/以下となり、ほぼ公共下水道の処理
場の処理能力に近い状態になります。    

ここで、BODと言う言葉が出てきましたが、
BODとは 水の汚れを微生物が分解するとき
に使う酸素の量で、「生物化学的酸素要求量」
言います。                

単位はmg/リットルで表示し、この酸素の量
が多いほど、汚れがひどいことを表しています
。                    

で、汚水がどうやってきれいになるかと言うと
、浄化槽内にはたくさんの微生物がいて、汚水
に含まれる有機物を食べて😋分解することで、
水がきれいになる仕組みになっています。  

浄化槽は、微生物がより繁殖しやすく、働きや
すくなるように設計されています。     

合併処理浄化槽の保守点検の内容は?

ダイスケの工場では保守点検業者と契約を結び
、浄化槽の点検は年3回ほど行っています。 

この点検の回数は浄化槽の処理方式と規模によ
り点検回数が違ってきて、処理規模の能力がも
う少し多くなると、年に4回ほど行う形になり
ます。                  

保守点検の内容ですが、まずは浄化槽のマンホ
ールを空けて、槽内の水を取り検水を行います
。                    

し尿や汚泥が溜まっているので、やはり臭いは
強烈ですね😓 プーンとあたり一面に臭いが
拡散します。               

検水の内容ですが、水温・PH・透視度と、消
毒槽での残留塩素の濃度を計ります。    

あとは浄化槽内ではたくさんの槽があるので1
つづつ状態を確認します。沈殿分離槽、嫌気ろ
床槽、接触ばっ気槽、沈殿槽、処理水槽、消毒
槽などです。                

第1段階で汚泥や、し尿が流入していく沈殿分
離槽と嫌気ろ床槽ではスカムの生成状況を確認
します。                 

スカムとは水面に浮かび上がってきた浮きカス
のことで、浄化槽内の清掃時期を決める1つの
目安になります。             

「スカムが何㎝くらい溜まってきたから、そろ
そろ清掃が必要かな?」という感じですね。 

その他にも水位状況、ばっ気攪拌の状況であっ
たり、あとは消毒槽での消毒剤の補給ですね。

塩素系の錠剤が薬筒(やくとう)に入っており
、少しづつ溶けだしていくので、定期的な補充
が必要になります。            

いつも100㌘の錠剤を何個か補充しています
ね。                   

ちなみにですが、この消毒剤の働きとしては放
流時の大腸菌などを消毒する役目を行っていま
す。                   

あとは浄化槽内での微生物の働きを良くするの
にとても大事なエアーを供給するブロワーです
。                    

ブロワーから異音がでていないか、ブロワーモ
ーターの電流値測定、ブロワーのオイルの補充
や交換、Vベルトの調整、エアフィルターの清
掃を行ったりします。           

こんな感じで一通りの点検を行い、浄化槽の機
能がきちんと保たれているか確認を行います。

浄化槽の法定検査は?

バインダーに挟んだ用紙に記入する人

浄化槽は保守点検以外にも、年に一度行う定期
検査があります(浄化槽法第11条検査)  

定期検査が近づいてくると、浄化槽協会(検査
機関)から返信ハガキが来て、「この日程でどう
でしょうか?」と、連絡がきます。      

こちらの都合があえば、を付けて返信を行い
日程を抑える形になります。        

それで、検査当日の内容はと言うと、まず初め
に検査員が保守点検時に行った記録表の内容を
確認します。               

年間で決められた保守点検の回数をきちんと行
っているかと、浄化槽の機能が維持されている
かの確認です。              

それらの確認事項があるので、記録表はきちん
と保管し、紛失しないようにしましょう。  

これから浄化槽の管理を担当する方は、その点
に注意してください。           

書類等の確認が終わると、次は浄化槽側の確認
になりますが、ほぼ保守点検時に行っている内
容と変わりはありません。         

浄化槽のマンホールを開けて、槽内の検水と、
各槽での稼働状況の確認等です。      

こうして、一通り確認を終えて異常がなければ
、「異常は見られません。問題なしです。」との
ことで、検査結果書へ記載されます。    

最後に法定検査費用を支払い終了となります。

ちなみにうちの工場では、20人槽以下の浄化
槽なので、毎年¥6000円を支払っています
が、各地域の浄化槽協会により、値段は多少違
ってくるようですね。           

法定検査で不具合があった場合はどうなるの?

NとGと印字された2つの積み木

ここで、法定検査で不具合が合った場合にはど
うなるの? と思う方もいると思うので、過去
にあった件を紹介したいと思います。    

定期検査時に、検査員から指摘を受けて気づい
ことなんですが、槽内へエアーを供給するブロ
ワーが故障して止まっていたんですね💧   

これがいつから止まっていたのかは分からなか
ったのですが、「ここ最近、浄化槽付近が少し
臭いかな?」と、感じてはいました。     

保守点検も一ヶ月前に行っており、異常は見ら
れなかったので、気にもしていませんでした。

そうなると槽内へのエアーが供給されないので
、溶存酸素量不足により、判定は 「不適正で
ある」 になってしまいました。       

改善措置が必要ということで、早急にそれを行
いないました。どんなことを行ったのか?次に
その内容を説明したいと思います。     

浄化槽改善報告書の提出が必要!

改善措置が必要となると、「浄化槽改善報告書」
というのを提出することになります。    

管轄している地域で多少名称は違うかもしれな
いですが、そのような報告書を提出します。

これから浄化槽をどんな内容で改善していくか
を報告書に記入して、それに従い実施していき
ます。                  

報告書を提出するタイミングは改善を行った後
になります。               

以前行った時は、ブロワーだけの交換だけであ
ったので、こんな感じで記入しています。  

1、新規のブロワー(○○製)を何月何日に手
  配して、何月何日に納入となる。 
       

2、新規のブロワーを何月何日に社内にて交換
  し、エアーの攪拌状態は良好となり改善し
  た。               

このような簡単な内容で提出をしましたが、特
に指摘事項はなく、これで問題は解決しました
。                    

自分の工場の場合だと、この内容で解決しまし
たが、もしかしたら管轄している所が厳しい所
だと、「保守点検業者による水質確認等を行っ
た報告書も提出する」よう言われるかも?しれ
ません。                 

もし、不安であるようなら事前に対策事項の内
容を聞いたほうがいいですね。       

そんな感じで、浄化槽に不具合があった場合に
は 「浄化槽改善報告書」 というのを提出する
ことになっています。           

さいごに

今回は浄化槽の保守点検や定期検査の内容を解
説しましたが、浄化槽の管理が大事なことが理
解して頂けたと思います。         

浄化槽の管理も公害防止関連にも深く関わって
おり、自分の工場では、浄化槽の排水は排水処
理施設の排水と一緒に流れていく形になるので
、公害防止に努めなければなりません。   

定期的な排水の測定もあるので、注意していま
す。                   

浄化槽側の排水の項目であるとBODや大腸菌
ですね。                 

そんな感じで、浄化槽も排水処理施設の一部と
なるので、浄化槽の管理を担当している方は、
公害防止管理者の水質の資格も取得していると
業務に役立つかなと思います。       

              

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