![浄化槽のマンホール](https://kouzyouman.com/wp-content/uploads/2021/12/浄化槽のマンホール_optimized.jpg)
ダイスケです!合併処理浄化槽は生活排水など
をきれいにする浄化装置ですが、それらが正常
な機能を発揮しているかどうか?保守点検や法
定検査があります。ダイスケの工場でも合併処
理浄化槽を設置しているので、実際にどんな点
検や検査などを行っているのかを解説したいと
思います。
合併処理浄化槽とは?
ダイスケが勤めている工場の地域では、公共下
水道が整備されていない所なので、工場に合併
処理浄化槽(以下:浄化槽)を設置しています
。
そういった地域では、トイレを水洗化する時に
は浄化槽の設置が義務づけられています。
この浄化槽の性能がどのくらいあるのかと言う
と、BOD除去率が90%以上、処理水質が
20mg/以下となり、ほぼ公共下水道の処理
場の処理能力に近い状態になります。
ここで、BODと言う言葉が出てきましたが、
BODとは 水の汚れを微生物が分解するとき
に使う酸素の量で、「生物化学的酸素要求量」と
言います。
単位はmg/リットルで表示し、この酸素の量
が多いほど、汚れがひどいことを表しています
。
で、汚水がどうやってきれいになるかと言うと
、浄化槽内にはたくさんの微生物がいて、汚水
に含まれる有機物を食べて😋分解することで、
水がきれいになる仕組みになっています。
浄化槽は、微生物がより繁殖しやすく、働きや
すくなるように設計されています。
合併処理浄化槽の保守点検の内容は?
ダイスケの工場では保守点検業者と契約を結び
、浄化槽の点検は年3回ほど行っています。
この点検の回数は浄化槽の処理方式と規模によ
り点検回数が違ってきて、処理規模の能力がも
う少し多くなると、年に4回ほど行う形になり
ます。
保守点検の内容ですが、まずは浄化槽のマンホ
ールを空けて、槽内の水を取り検水を行います
。
し尿や汚泥が溜まっているので、やはり臭いは
強烈ですね😓 プーンとあたり一面に臭いが
拡散します。
検水の内容ですが、水温・PH・透視度と、消
毒槽での残留塩素の濃度を計ります。
あとは浄化槽内ではたくさんの槽があるので1
つづつ状態を確認します。沈殿分離槽、嫌気ろ
床槽、接触ばっ気槽、沈殿槽、処理水槽、消毒
槽などです。
第1段階で汚泥や、し尿が流入していく沈殿分
離槽と嫌気ろ床槽ではスカムの生成状況を確認
します。
スカムとは水面に浮かび上がってきた浮きカス
のことで、浄化槽内の清掃時期を決める1つの
目安になります。
「スカムが何㎝くらい溜まってきたから、そろ
そろ清掃が必要かな?」という感じですね。
その他にも水位状況、ばっ気攪拌の状況であっ
たり、あとは消毒槽での消毒剤の補給ですね。
塩素系の錠剤が薬筒(やくとう)に入っており
、少しづつ溶けだしていくので、定期的な補充
が必要になります。
いつも100㌘の錠剤を何個か補充しています
ね。
ちなみにですが、この消毒剤の働きとしては放
流時の大腸菌などを消毒する役目を行っていま
す。
あとは浄化槽内での微生物の働きを良くするの
にとても大事なエアーを供給するブロワーです
。
ブロワーから異音がでていないか、ブロワーモ
ーターの電流値測定、ブロワーのオイルの補充
や交換、Vベルトの調整、エアフィルターの清
掃を行ったりします。
こんな感じで一通りの点検を行い、浄化槽の機
能がきちんと保たれているか確認を行います。
浄化槽の法定検査は?
![バインダーに挟んだ用紙に記入する人](https://kouzyouman.com/wp-content/uploads/2021/12/バインダーに挟んだ用紙に記入をする人_s_optimized.jpg)
浄化槽は保守点検以外にも、年に一度行う定期
検査があります(浄化槽法第11条検査)
定期検査が近づいてくると、浄化槽協会(検査
機関)から返信ハガキが来て、「この日程でどう
でしょうか?」と、連絡がきます。
こちらの都合があえば、○を付けて返信を行い
日程を抑える形になります。
それで、検査当日の内容はと言うと、まず初め
に検査員が保守点検時に行った記録表の内容を
確認します。
年間で決められた保守点検の回数をきちんと行
っているかと、浄化槽の機能が維持されている
かの確認です。
それらの確認事項があるので、記録表はきちん
と保管し、紛失しないようにしましょう。
これから浄化槽の管理を担当する方は、その点
に注意してください。
書類等の確認が終わると、次は浄化槽側の確認
になりますが、ほぼ保守点検時に行っている内
容と変わりはありません。
浄化槽のマンホールを開けて、槽内の検水と、
各槽での稼働状況の確認等です。
こうして、一通り確認を終えて異常がなければ
、「異常は見られません。問題なしです。」との
ことで、検査結果書へ記載されます。
最後に法定検査費用を支払い終了となります。
ちなみにうちの工場では、20人槽以下の浄化
槽なので、毎年¥6000円を支払っています
が、各地域の浄化槽協会により、値段は多少違
ってくるようですね。
法定検査で不具合があった場合はどうなるの?
![NとGと印字された2つの積み木](https://kouzyouman.com/wp-content/uploads/2021/12/nとGと印字された積み木_s_optimized.jpg)
ここで、法定検査で不具合が合った場合にはど
うなるの? と思う方もいると思うので、過去
にあった件を紹介したいと思います。
定期検査時に、検査員から指摘を受けて気づい
ことなんですが、槽内へエアーを供給するブロ
ワーが故障して止まっていたんですね💧
これがいつから止まっていたのかは分からなか
ったのですが、「ここ最近、浄化槽付近が少し
臭いかな?」と、感じてはいました。
保守点検も一ヶ月前に行っており、異常は見ら
れなかったので、気にもしていませんでした。
そうなると槽内へのエアーが供給されないので
、溶存酸素量不足により、判定は 「不適正で
ある」 になってしまいました。
改善措置が必要ということで、早急にそれを行
いないました。どんなことを行ったのか?次に
その内容を説明したいと思います。
浄化槽改善報告書の提出が必要!
改善措置が必要となると、「浄化槽改善報告書」
というのを提出することになります。
管轄している地域で多少名称は違うかもしれな
いですが、そのような報告書を提出します。
これから浄化槽をどんな内容で改善していくか
を報告書に記入して、それに従い実施していき
ます。
報告書を提出するタイミングは改善を行った後
になります。
以前行った時は、ブロワーだけの交換だけであ
ったので、こんな感じで記入しています。
1、新規のブロワー(○○製)を何月何日に手
配して、何月何日に納入となる。
2、新規のブロワーを何月何日に社内にて交換
し、エアーの攪拌状態は良好となり改善し
た。
このような簡単な内容で提出をしましたが、特
に指摘事項はなく、これで問題は解決しました
。
自分の工場の場合だと、この内容で解決しまし
たが、もしかしたら管轄している所が厳しい所
だと、「保守点検業者による水質確認等を行っ
た報告書も提出する」よう言われるかも?しれ
ません。
もし、不安であるようなら事前に対策事項の内
容を聞いたほうがいいですね。
そんな感じで、浄化槽に不具合があった場合に
は 「浄化槽改善報告書」 というのを提出する
ことになっています。
さいごに
今回は浄化槽の保守点検や定期検査の内容を解
説しましたが、浄化槽の管理が大事なことが理
解して頂けたと思います。
浄化槽の管理も公害防止関連にも深く関わって
おり、自分の工場では、浄化槽の排水は排水処
理施設の排水と一緒に流れていく形になるので
、公害防止に努めなければなりません。
定期的な排水の測定もあるので、注意していま
す。
浄化槽側の排水の項目であるとBODや大腸菌
ですね。
そんな感じで、浄化槽も排水処理施設の一部と
なるので、浄化槽の管理を担当している方は、
公害防止管理者の水質の資格も取得していると
業務に役立つかなと思います。