産業廃棄物関係 資格

特別管理産業廃棄物管理責任者とはどんな業務を行うのか?選任者のダイスケが解説します!

ダイスケです!特別管理産業廃棄物を排出して
いる事業場では、特別管理産業廃棄物管理責任
者を選任しなければならないことをご存じでし
ょうか?ダイスケの工場ではこれらの廃棄物を
排出しているので、自分がこれらの管理業務を
行っています。どんな業務を行っているのか?
解説したいと思います。          

コンテナ付き大型トラック

特別管理産業廃棄物とは?

まずはこの特別管理産業廃棄物(以下、特管産
廃)とは何なのか?を説明したいと思います。

廃棄物処理法では、産業廃棄物のうち、爆発性
、毒性、感染性、その他の人の健康又は生活環
境に係る被害を生ずるおそれがある性状を有す
るものを 「特別管理産業廃棄物」 として区分
しています。               

特管産廃の種類もたくさんありますが、例えば
ダイスケの工場では特管産廃である廃酸(PH
2以下のもの)を扱っています。      

酸の中でも特に酸性が強いものになります。 

下の表は特別管理産業廃棄物の一覧です。  

     特別管理産業廃棄物
廃油
・廃酸
・廃アルカリ
・感染性産業廃棄物
・特定有害産業廃棄物
 廃PCB等              
 PCB汚染物
 PCB処理物
 指定下水汚泥
 鉱さい
 廃石綿等
 ばいじん又は燃え殻
 廃油
 汚泥、廃酸又は廃アルカリ
 

こんな感じで特管産廃はいろんな種類がありま
す。                   

特別管理産業廃棄物を発生している事業所では管理責任者の選任が必要!

先ほどの特管産廃の表にある廃棄物を発生して
いる事業所などでは、特別管理産業廃棄物管理
責任者(以下、特管責任者)を選任しなければ
なりません。               

廃棄物処理法(第12条の2第8項)で定めら
れているので、ダイスケの工場では自分が特管
責任者として業務に当たっています。    

特管責任者の役割は?

特管責任者の業務内容は具体的に法に明記され
ていませんが、環境省のウェブサイトでは次の
ように書かれています。          

1,特別管理産業廃棄物の排出状況の把握

2、特別管理産業廃棄物処理計画の立案

3、適正な処理の確保(保管状況の確認、委託
  業者の選定や適正な委託の実施、マニフェ
  ストの交付や保管等)

この中でも特に大事だと思うのが、3の適正な
処理の確保ですかね。           

自分の工場では強酸の廃液を保管しているので
、漏洩などがないか日々確認を行っています。
外部に漏れたりしたら大変なことになりますか
らね。                  

それと、マニフェストと言われる産業廃棄物管
理票の交付と保管も大事です。       

マニフェストとは処理を委託する際に委託者が
発行する伝票のことで、産業廃棄物の処理が適
正に処理されたかどうかを確認するためのもの
になります。               

伝票は複写式でA票、B1票、B2票、C1票
、C2票、D票、E票の7枚綴りとなっていて
、それぞれに排出事業者、収集運搬業者、処分
業者が記載しなければならいない事項がありま
す。                   

大まかな流れを説明するとこんな感じです。 

  マニフェスト伝票の流れ
排出事業者A票(排出時の自社控え)
B2票(収集運搬業者が運搬完了
    後に手元に届く)
D票(中間処理業者が処分完了後
   に手元に届く)
E票(最終処分が完了後に手元に
   届く)
収集運搬
業者
B1票(運搬終了時の自社控え)
C2票(中間処理業者が処分完了
    後に手元に届く)
中間処理
業者
C1票(処分終了の自社控え)

このような流れになりますが、ここで注意しな
いといけないのがマニフェストに返却期限があ
ることです。               

 収集運搬業者・処分業者からの返却期限 
      (B2票、D票)      
       90日以内
     処分業者からの返却期限    
        (E票)
       180日以内

たまに返却が遅いなと思った時には、業者さん
連絡をいれたりして、状況を確認したりします
。                    

「処理の状況は大丈夫でしょうか?マニフェス
トがまだこちらに届いてないようなので、そろ
そろでしょうか?」と、そんな感じで確認しま
す。                   

大事なのは、ほったらかしにしない・すべてを
業者任せにしないことですね。       

マニフェストを発行したら、時折状況を確認し
、お互いに気をつけるようにしています。  

特管責任者の資格要件は?

特管責任者の資格要件なんですが、原則として
医師等の国家資格、または学歴・一定年数以上
の実務経験が必要となります。       

ただ、これらに該当しない方であっても、  
公益財団法人の日本産業廃棄物処理振興センタ
ー(JWセンター)が開催する講習を受講し、
修了試験に合格することで、特管責任者になる
ことができます。             

おそらく大半の方はこの講習を受けて、特管責
任者になられる方が多いのではないかと思いま
す。                   

自分の場合もこの講習を受けて特管責任者の資
格を取得しました。            

特別管理産業廃棄物管理責任者の修了証

受講資格

年齢、学歴等に制限はありません。誰でも受験
できます。                

受講内容と修了試験

各自の自宅等でオンラインで講義を事前に受講
し、その後、試験を会場で受ける2段階形式と
なっています。*2021年10月現在   

自分が受けた時は会場に足を運んで講習を受け
ましたが、今ではこの形式になっているので注
意してください。             

下の表は講習の内容です。         

       内容 時間
1,行政概論

2、特別管理産業廃棄物の処理
 と管理
5.5
時間
3、修了試験
 (マークシートの○×方式と、
  四者択一方式:20問)
  
 
30分

参考までに試験問題のサンプルをこちらで確認
認できます。               

出典:日本産業廃棄物処理振興センター    
参照:テキスト・試験問題 | 公益財団法人 日本産業廃棄物処理振興センター (jwnet.or.jp)

合格基準、合格のポイント   

講習会場

試験は満点中70%以上、20問中14問以上
の正解で合格となります。         

試験の難易度は高くないと思いますが、油断し
ていると落ちると思います。        

まず、この講習での大事なことは、講義中の話
でしっかりと聞くことですね。       

所々で、講師が重要なポイントを言ってくれる
ので、そこを聞き逃さないことでしょうか。 

自分が受講した時は、講習の最後に修了試験が
あったので、必死にメモを取って聞き逃さない
ようにしていました。           

とりあえず、居眠り😪しないことが一番大事で
す。                    

ただ、今はWeb講義となっているので、情報
がどこまで出るのかは分かりませんが、おそら
く同じような形になると思います。     

もし修了試験に合格できなかった方は、2年後
の3月末まで、2回に限り最修了試験を受験す
ることができます。(3000円/税込み) 

合格発表は修了試験終了後、約2週間後になり
ます。                  

申し込み方法

申し込み方法はWeb申し込みのみです。  
*2021年10月現在          

インターネットの申込みページはこちらです。

出典:日本産業廃棄物処理振興センター   
参照:特管責任者講習会 | 公益財団法人 日本産業廃棄物処理振興センター (jwnet.or.jp)

受講料

・講習、修了試験 13800円(税込み)
 *Web申し込み割引適用       
・再修了試験               
 3000円(税込み)          

受講地、受講日程

受講地は全国各地の各都道府県にあります。 
開催地により日程が違いますので、ホームペー
ジを確認してください。          

資格取得のメリットは?

この特管責任者の資格を取得すると、就職や転
職が劇的に有利になるとは思いませんが、ただ
特管産廃を排出している事業所にでも就職・
転職するとかであれば、面接時のアピール事項
にはなると思います。           

この資格を取得する人は、実際の業務を行って
いる方が大半だと思うので、実務経験を評価し
てくれるのではないでしょうか。      

キャリアが長い、短いは別としても、「この人
は管理責任者の仕事を理解しているな」 と、
思ってもらえると思います。        

また、ここ数年では公害防止・法令遵守等・産
業廃棄物の取扱いは厳しくもなっているので、
特管責任者の存在は重要になると思います。 

で、公害防止の言葉が出てきましたが、これが
公害防止管理者の業務とも密接に関わってくる
んですね。                

うちの工場では、特管産廃である廃酸の一部を
自社でも処理しており、きちんと処理基準を満
たしたうえで工場外で排水しています。   

そういった関係で水質での公害防止管理者の選
任などが必要となっており、自分は公害防止管
理者の業務も行っています。        

公害防止関連の記事も書いているので興味があ
る方はこちらも見てください。       

            

そんな感じで、特管責任者の資格は公害防止管
理者との相性もよく、この2つの資格を保有し
ていれば、相乗効果によりメリットがあると言
えると思います。             

とりあえず、特管責任者の試験難易度はそれほ
ど高くはなく、比較的簡単に取得できる資格な
のでオススメします!           

興味がある方はトライしてみて下さい!   

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