資格

【特定化学物質作業主任者】業務内容・メリットなどを選任者のダイスケが解説します!

各ビーカーに入った色違いの液体

ダイスケです!工場ではさまざまな特定化学物
質を扱っていますが、そこで働く作業員に健康
障害が起こらないよう、作業方法の指揮や作業
環境の改善を行う、特定化学物質作業主任者の
選任が必要となります。その作業主任者の仕事
内容はどんなことを行うのか?また、資格取得
のメリットなども解説したいと思います。  

特定化学物質作業主任者とは?

特定化学物質(以下:特化物)はガンなどを発
症させる恐れがあるので、作業員に健康障害を
起こさせないよう 「作業方法の指導」や、「作
業環境の改善」 を行うのが特定化学物質作業
主任者(以下:作業主任者)になります。  

この作業主任者の資格は国家資格で、特化物を
取扱う現場では必ず作業主任者を選任しなけれ
ばなりません。              

労働安全衛生法第14条(安衛令第6条、18
号、20号)の規定で定められています。  

特定化学物質とは?

この特定化学物質と言われるものは、労働安全
衛生法で定められた物質で、第1類から第3類
まであります。              

下記の表にあるものが該当します。     

     

種類  品名    内容


ジクロロベン
ジン及びその
塩、PCBな
ガン等の慢性・揮発
性障害を引き起こす
物質のうち、特に有
害性が高く労働者に
重度の健康障害を生
じるおそれがあるも
の。    


エチレンイミン
、塩化ビニル、
弗化水素など
ガン等の慢性・遅発
性障害を引き起こす
物質のうち、第1類
物質に該当しないも
の。  


アンモニア、
一酸化炭素、
塩化水素など
大量漏洩により急性
中毒を引き起こす物
質。

ちなみに自分が勤めている工場では、第2類の
 「弗化水素」と、第3類の「塩化水素」 を扱っ
ています。                

製造ラインでの酸洗いの洗浄工程で使用してい
ます。                  

資格の取得方法

この資格を取るためには、特定化学物質及び
四アルキル鉛等作業主任者技能講習と言う講習
を受講します。              

名称が長いですね💦            

講習の最後に修了試験あり、合格すると資格を
取得できます。              

講習先のおもな主催団体は?

自分の場合は各都道府県にある労働基準協会連
合会に講習を申込みしました。       

参考までに東京都の協会のホームページを紹介
します。                 

出典:公益社団法人東京労働基準協会連合会 
参照:特定化学物質四アルキル鉛等作業主任者技能講習 (toukiren.or.jp)

受講資格

満18才以上であれば誰でも受験できます。 
(実務経験は不要)            

受講料金

講習代:12,600円(税込み)
テキスト代:1,980円(税込み)

受講内容

講習は2日間行い、最後に修了試験があります
。講習の内容は以下の通りになります。      

     講習内容講習時間
健康障害及びその予防措置に
関する知識
4時間
保護具に関する知識2時間
作業環境の改善方法に関する
知識
4時間
関係法令2時間
修了試験1時間

ちなみに講習会で使用したテキスト📙はこちら
です。A4サイズの大きさで、厚みは2㎝ほど
あります。分厚いですね。         

                                                      

合格基準・合格のポイント

各科目で40%以上、かつ総合で60点以上の
得点で合格となります。          

毎回ながらこの手の講習のポイントとしては、
講師の先生の話を良く聞くことですね。   

講義中に、「ここが重要ですよ!しっかり覚え
ておいて下さい!」と、ポイントを言ってくれ
るので、必ず耳を傾けましょう。     

間違いなく修了試験には合格できるはずです。

 修了証はこんな感じのものです。       

作業主任者の役割は?

うちの工場では酸洗いの洗浄ライン(密閉型)
があります。               

内部では排ガスが発生するので、排気装置によ
りガスを吸い上げて外部へ排出しています。 

この排気装置の能力がきちんとされているかの
点検を行ったり、また、年に2回ほど周辺の作
業環境がどんな状況か把握するため、業者に依
頼して作業環境測定を行ってもらっています。

現状の作業環境に問題がないか、改善が必要か
などの目安を知るためですね。       

あとは、洗浄ラインのメンテナンスなども定
期的に行ったりするので、作業時に防護服・防
護マスク・防護めがねなどの着用もきちんとし
てもらうよう指示をします。        

ざっくりとした説明ですが、現場の作業者には
安全に作業を行ってもらうことが、作業主任者
としての役割となります。          

資格取得のメリットは?

この資格を取得することで、就職や転職が劇的
に有利になるとは思いませんが、化学薬品を扱
っている工場などは多いと思うので、面接時の
アピール事項にはなると思います。     

それともう一つ、法令改正により作業主任者の
活躍の場が増えたのも気になりますね。   

それは金属アーク溶接等で発生する     
「溶接ヒューム」 が新たに特化物に追加された
ことです。                

次にその法令改正の概要を説明したいと思いま
す。                   

「溶接ヒューム」が特定化学物質に追加!これにより作業主任者の選任が必要!

令和2年の労働安全衛生法改正により、「金属
アーク溶接作業」で発生する 「溶接ヒューム」
も特化物(第2類物質)に追加されたことで、
令和4年4月1日から作業主任者の選任が必要
となりました。              

これにともない、自分の工場でもアーク溶接を
行っている部署が複数あるので、何名かが新た
に資格を取りにいきました。        

他の会社さんでも、新たに資格を取りにいった
方が多いのではないかと思います。     

このことから、新たにアーク溶接をする作業場
では、「作業主任者の選任が必要」 となったこ
とで、活用の場が広がったと言えるのではない
でしょうか?               

資格を取得している方は役立つ人材と言えると
思います。                

今後も 「溶接ヒューム」 のように、新たに特
管物に指定される物質が出てくるかもしれませ
ん。                   

それを見据えて、「作業主任者」 の資格取得を
考えておいてもいいかなと思います。    

とりあえず、作業主任者の資格は持っていて損
のない資格だと思いますので、今後作業に携わ
る方にはオススメしたい資格ですね!    

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